Tバック用ナプキンは売ってない?薬局の現状と生理中の漏れない代用策

Tバック用ナプキンは売ってない?薬局の現状と生理中の漏れない代用策の詳細について、最新情報を取りまとめてご紹介します。

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生理中であってもファッションを諦めたくないという当事者の切実な需要がありながら、なぜ国内の生理処理用品各大手はTバック市場から身を引いたのでしょうか。そこには、日本の厳格な安全基準と製造採算性という2つの分厚い壁が立ちはだかっています。

第一の壁は、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく「生理処理用品製造販売承認基準」です。日本国内で生理用ナプキンとして販売するには、経血を確実に保持し、漏れ出させないための表面材規格、引裂強度、水漏れ試験(一定量の人工経血を注入して圧力をかけた際の漏れ基準)などの厳格なハードルをクリアしなければなりません。

一般的なノーマルショーツのクロッチ(股布)幅が約65mm〜75mm確保されているのに対し、Tバックのバックサイド側クロッチ幅はわずか15mm〜25mm程度まで絞り込まれます。この極めて細い面積の中に、高分子吸収ポリマーを偏りなく均一に配置し、激しい歩行でもねじれず、かつ横漏れを防ぐギャザーや防水壁を両立させることは、工業製品として極限の難易度を極めます。仮に製品化しても、経血量が多い日に使用されれば構造上どうしても漏れクレームが発生しやすく、製品の安全性担保が著しく困難だったという開発現場の事情があります。

第二の壁は、市場規模(TAM)の限界です。下着メーカー各社の市場意識調査によると、欧米諸国における成人のTバック保有率が40%を超えるのに対し、日本国内におけるTバックの日常的・常時着用率は約12〜14%にとどまります。さらに「その中で生理中にも履きたい層」となると数パーセントにまで激しくシュリンクします。

専用設備を導入して数百万個単位で高速大量生産を行う大手メーカーのサプライチェーンにおいて、この極小ボリュームは採算ラインを大きく下回ります。各社がリソースを「吸水ショーツ」や「長時間・隙間ゼロを謳う夜用ギガ吸水タイプ」へ集中させた結果、Tバック専用ナプキンは静かに市場から淘汰されるに至りました。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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