なぜ牛のげっぷが問題に?メタン28倍の脅威と劇的削減への最新対策

なぜ牛のげっぷが問題に?メタン28倍の脅威と劇的削減への最新対策の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

牛の消化システムを根本から変えることなく、メタンの発生だけをピンポイントで止める——。バイオテクノロジーと農学の融合によって、劇的な削減効果を叩き出す最新技術が次々と誕生しています。

なかでも世界的なブレイクスルーとして脚光を浴びているのが、紅藻類の一種である「カギケノリ(学名:Asparagopsis)」を飼料に微量添加するアプローチです。カギケノリに含まれるブロモホルムという成分が、メタン生成菌の酵素活性を直接ブロックします。オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)や海外大学の実証実験では、通常の飼料にわずか0.5〜1%未満のカギケノリを混ぜるだけで、メタン排出量を最大80%以上カットすることに成功しました。

さらに、大手化学・食品原料メーカーのdsm-firmenichが開発した飼料添加物「3-NOP(商品名:ボベア / Bovaer)」も実用化で世界をリードしています。3-NOPはメタン生成の最終段階で働く酵素(メチル補酵素M還元酵素)を一時的に不活性化させる有機化合物で、体内で速やかに無害な成分へ分解されます。給餌により乳牛で平均30%、肉牛で最大45%前後のメタン削減効果が確認され、欧州連合(EU)や中南米をはじめ世界各国の規制当局で承認が進んでいます。

これらに加え、木材や竹を炭化させた多孔質素材である「バイオ炭(Biochar)」を飼料に混合し、ルーメン内の環境を整えてガス発生を物理的・化学的に抑制する技術や、メタン排出量の少ない牛を選抜してブリーディングする「ゲノム育種技術」など、多角的なアプローチが急速に開花しています。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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