都心直結線はなぜ進まないのか?計画凍結の真相と新東京駅構想の現在地

都心直結線はなぜ進まないのか?計画凍結の真相と新東京駅構想の現在地とはどんな影響があるのか? 背景や要点を整理してお届けします。

答申から年月が経過した現在も、環境影響評価(アセスメント)や都市計画決定などの実務的な手続きは一切進んでいません。メガプロジェクトが停滞している背景には、構造的な3つの障壁が存在します。

第一に、4,000億円を超える巨額の事業費と採算性の壁です。都心直結線は丸の内・八重洲エリアの過密な地下インフラを避けるため、地下40メートル以深の「大深度地下」を利用する設計が求められます。資材高騰や人件費上昇が続く建設環境下では事業費のさらなる膨張が確実視されており、費用便益比(B/C)を維持することが極めて困難になっています。

第二に、運行事業者・整備主体の不在です。京成・都営地下鉄(東京都交通局)・京急の3者が絡む複雑な運行形態において、巨額のトンネル建設費と開業後の維持管理リスクを誰が主導して背負うのかという枠組みが定まっていません。第三セクター方式での整備も議論されましたが、リスクの押し付け合いが続き、主体的な推進母体が形成されませんでした。

第三に、既存の空港アクセスネットワークの充実です。成田空港側では成田スカイアクセス線(最高時速160kmのスカイライナー)が定着し、羽田空港側でも京急線の羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線整備など部分的な改良が進んだことで、「数千億円を投じて短絡線を新設する切迫感」が薄れてしまった側面は否めません。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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