30言語を操る知の巨人・井筒俊彦の全貌!司馬遼太郎も絶賛した名著の力
30言語を操る知の巨人・井筒俊彦の全貌!司馬遼太郎も絶賛した名著の力の詳細解説を解説します。専門的な知識が満載です。
井筒俊彦の圧倒的な知性の原点は、幼少期の特異な環境にありました。1914年(大正3年)に東京で生まれた彼は、禅の修行者であった父親から厳格な座禅と漢籍の素読を叩き込まれました。この原体験が、のちに言語と意識の深層へ分け入る強固な土台を形作ります。
慶應義塾大学の医学部に進学したものの、文学への情熱を断ち切れず文学部英文科へと転部。そこで詩人・英文学者の西脇順三郎に師事し、言語学やギリシャ・ラテンの古典世界へ没入していきました。
特筆すべきは、周囲を驚嘆させた超人的な語学習得力です。ヨーロッパ各国の主要言語はもちろん、アラビア語、ペルシャ語、ヘブライ語、トルコ語、ロシア語、サンスクリット語、パーリ語、チベット語、中国語など、習得した言語は30を超えます。
「文法書と辞書、そして原典さえあれば、数週間でその言語の骨格を把握できた」という逸話は誇張ではなく、徹夜で辞書を丸ごと読み込むような強烈な集中力によって支えられていました。単に日常会話を話すレベルにとどまらず、各言語の宗教詩や古典哲学を原文のニュアンスのまま精密に読み解く驚異の言語感覚を誇っていたのです。