名作「おれはかまきり」の真実|工藤直子が込めた祈りと音読の極意
名作「おれはかまきり」の真実|工藤直子が込めた祈りと音読の極意に関する話題のニュースを速報でお届けします。関心のある方は必見です。
教科書でおなじみの『おれはかまきり』は、1984年に刊行が始まった工藤直子氏の代表的詩集『のはらうた』(童話屋)に収録された作品です。この詩集の最大の特徴は、すべての詩の作者が人間ではなく、野原に暮らす動植物たち自身であるという徹底した世界観にあります。工藤直子氏はインタビューや自著の手記において、「自分は詩を作っているのではなく、のはらの仲間たちから送られてくる手紙を書き留める『のはらみんなの代理人』にすぎない」と語っています。
その中でもひときわ強い個性を放つキャラクターが、詩の末尾に署名された「かまきりりゅうじ」です。初夏のまぶしい日差しの中、細い手足をピンと伸ばし、鎌を構えて仁王立ちするかまきりの姿。工藤氏が野原で見つめた一匹のかまきりは、ちっぽけな昆虫でありながら、世界をまるごと抱きとめるような誇らしさに満ちあふれていました。過酷な自然界で精一杯に今を生きる命への深い敬意と、「生きていることそのものへの全肯定」が、この詩の根底に流れる真のメッセージです。