東電の上場廃止はあるのか?実質国有化の真実と株主への影響を徹底解剖
東電の上場廃止はあるのか?実質国有化の真実と株主への影響を徹底解剖の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。
東京電力の経営形態を語る上で欠かせないのが、国の認可法人である「原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原損機構)」の存在です。東電は2012年、機構から1兆円の公的資金(資本注入)を受け入れました。この際に発行されたのが「議決権のないA種優先株式」と「議決権に転換可能なB種優先株式」です。
この優先株の仕組みこそが、東電が「実質国有化」と呼ばれつつも上場を維持できている最大の要因となっています。
機構が保有する優先株をすべて普通株式に転換した場合、国の議決権保有比率は過半数(50%超)を大きく上回る設計になっています。つまり、国はいつでも株主総会の普通決議を単独で可決できる圧倒的な支配力を保持しているわけです。
しかし、あえて議決権を行使可能な状態に全量転換せず、上場企業としての体裁を保っているのには明確な理由があります。国が投じた公的資金1兆円を回収するためには、将来的に東電の株価を一定水準まで引き上げ、保有株を市場で売却(株式売却益で国費を回収)する出口戦略が不可欠だからです。完全に上場廃止・国有化してしまえば、市場を通じた国民負担の回収というシナリオが破綻してしまいます。