『てんとう虫のサンバ』誕生秘話と歌詞の真相|チェリッシュの現在と謎
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『てんとう虫のサンバ』の発売年は1973年7月5日、フォークデュオとして人気を確立していたチェリッシュの通算7枚目のシングルとして世に送り出されました。当時、チェリッシュは『なのにあなたは京都へゆくの』(1971年)や『若草の髪かざり』(1973年)など、哀愁を帯びた叙情派フォークでヒットを連発しており、どこか物静かで清楚なイメージが定着していました。
そうした中で持ち上がったのが、希代のヒットメーカーである作詞・阿久悠氏と作曲・馬飼野俊一氏による新曲プロジェクトでした。当時の回顧録や特番インタビューにおいて、ボーカルの松崎悦子(旧姓・松井悦子)氏は、最初に手渡された歌詞を見たときの衝撃を「まるで童謡のような歌詞で、それまで大切にしてきた大人のフォークの世界観が壊れてしまうとショックを受け、先生の前で泣いて拒否した」と赤裸々に語っています。
「赤、青、黄色の衣装をつけたてんとう虫がしゃばだば…」というフレーズは、本格的なフォークシンガーとしての自負を持っていた彼女にとって、受け入れがたいポップ路線への急舵に見えたのです。しかし、作詞の阿久悠氏は「子どもからお年寄りまで、誰もが笑顔で歌える普遍的な愛の讃歌」を意図していました。結果として、馬飼野氏のキャッチーなアレンジと悦子氏の伸びやかな歌声が見事に融合し、シングルはオリコン週間チャートで最高6位、50万枚以上を売り上げる大ヒットを記録。チェリッシュの代名詞となる記念碑的作品へと昇華しました。