中濃ソースの正体とは?ウスターとの違いや関西の謎・代用黄金比を全解剖
中濃ソースの正体とは?ウスターとの違いや関西の謎・代用黄金比を全解剖について徹底解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。
インターネット上やSNSで定期的に話題となるのが「関西のスーパーには中濃ソースが売っていない」という噂です。流通調査や各メーカーの販売実績を確認すると、完全にゼロではないものの、東日本と西日本で極端なシェアの乖離が存在することは紛れもない事実です。
総務省の家計調査や調味料業界の市場データによると、関東圏ではソース購入量の約7割以上を中濃ソースが占めるのに対し、近畿圏ではウスターソースとお好みソース・とんかつソース(濃厚類)が市場の大半を二分しています。
この地域差が生まれた要因は、歴史的経緯と食生活の構造にあります。
- 発祥と普及の歴史:中濃ソースは1964年(昭和39年)にブルドックソースが商品化し、東京を中心に爆発的な普及を見せました。核家族化が進む首都圏で、「1本で揚げ物にも炒め物にも使える万能調味料」として重宝された背景があります。
- 関西の食文化と細分化:一方の関西は、明治期に国内初のウスターソースが誕生した地であり、お好み焼き・たこ焼き・串カツなど「料理ごとに専用のソースを使い分ける文化」がすでに完成していました。さらさらしたウスターと、濃厚な甘口ソースを併有する家庭にとって、中間の立ち位置である中濃ソースは必然性が薄かったと言えます。
食文化社会学の視点で見れば、東日本の「一本化による合理性」と、西日本の「専用ソースに対する料理ごとのこだわり」という、食に対するアプローチの違いが棚割りの差となって現れています。