「バールのようなもの」元ネタと真相|なぜ断定せず曖昧に表現するのか

「バールのようなもの」元ネタと真相|なぜ断定せず曖昧に表現するのかを詳しくリサーチ! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。

ニュースで「バール」と断定しない最大の理由は、侵入窃盗の現場に残された「こじ開け痕(工具痕)」の鑑定精度にあります。警察の鑑識係は、破壊されたサッシや錠前の変形度合い、付着した塗料などを微細に分析しますが、器具そのものが押収されていない状態では科学的に100%の特定が不可能です。

もし警察やメディアが早合点して「犯人はバールを使用した」と発表・報道してしまい、後の捜査で「実はジャッキやバール以外の特殊工具だった」と判明した場合、警察発表の信憑性が揺らぐだけでなく、初動捜査における見込み捜査の批判を招く事態になりかねません。

警察発表をベースに原稿を作成する事件記者にとっても、客観的な事実のみを伝える義務があります。「バールと思われる形状の器具によって破壊された痕跡がある」という警察の見立てを忠実に要約した結果が、「バールのようなもの」という厳密な表現に集約されているのです。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest