知の巨匠・池内紀の生涯と代表作|東大退官の真相やカフカ翻訳の評価
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池内紀の著作一覧は、学術書から旅行記、人物評論まで実に多岐にわたります。その中でもまず押さえておきたい代表作が、サントリー学芸賞を受賞した『ウィーンの世紀末』です。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、フロイト、クリムト、マーラーらが交錯したオーストリア=ハンガリー帝国の首都ウィーン。爛熟と崩壊の予兆が同居する特異な都市文化の魅力を、都市論と文学史を交差させながらドラマチックに活写した名著です。
また、生涯を通じて対話を続けた文豪ゲーテに関する著作も外せません。『ゲーテさんこんばんは』をはじめとする一連の著作では、教科書的な偉人像を軽やかに解体し、恋に悩み、自然を愛した血の通った人間ゲーテの素顔を浮き彫りにしました。集英社版の『ファウスト』新訳など、古典を現代の生きた言葉へと架橋する手腕は圧巻です。