「負け犬」から家族論へ。酒井順子が暴く現代社会と女性のリアル
「負け犬」から家族論へ。酒井順子が暴く現代社会と女性のリアルに関する注目トピックをまとめてご紹介します。関心のある方は必見です。
女性の心理や世相を描く第一人者として、しばしば比較対象となるのが林真理子だ。両者ともに講談社や文藝春秋といった大手出版社を舞台に数々のベストセラーを生み出し、講談社エッセイ賞を受賞するなど、現代エッセイの頂点を極めてきた共通点を持つ。
だが、そのアプローチは実に対照的だ。林真理子が自らの欲望や野心を燃料にして読者を熱狂させる「当事者型のエネルギー」を持つとすれば、彼女は一歩引いた場所から静かに世相をスケッチする「観察者型の知性」を誇る。ギラギラとした上昇志向を突き放すでもなく、崇めるでもなく、標本を眺めるように描写する筆致は、散文の歴史において極めて稀有なポジションを確立している。