女人禁制はなぜ残るのか?聖域とジェンダーが衝突する現場の真実
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鬱蒼とした原生林を抜けた先、標高1719メートルの山頂に佇むのが、大峰山寺(山上ヶ岳)だ。日本独自の山岳信仰である修験道の開祖、役小角(役行者)が7世紀末に開いたとされるこの霊場は、過酷な自然と対峙しながら自己の魂を鍛え上げる聖域として崇められてきた。
現在も山上ヶ岳の一帯では、春の戸開けから秋の戸閉めまでの期間、女性の入山が一切認められていない。登山道の要所には複数の結界門が設けられ、物理的・心理的な境界線として機能している。天川村や黒滝村など地元住民にとって、この戒律は単なる観光資源や形式的なルールではなく、何世代にもわたって継承されてきた生活規範そのものだ。
山に生きる人々は、女性を穢れとして排除しているのではないと語る。過酷を極める修行の場において現世の欲望や情念を断ち切るため、あるいは山そのものを母性的な神体として敬うがゆえの規律であるという独自の論理体系が、そこには脈々と息づいている。