飢えと挫折の果てに宿る真の正義!アンパンマン誕生秘話の全真相
飢えと挫折の果てに宿る真の正義!アンパンマン誕生秘話の全真相の見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。
現在知られている愛らしいデザインとは異なり、最初のアンパンマンはまったく別の姿をしていた。1969年、雑誌に連載された短編メルヘン集『十二の真珠』に登場した初代は、薄汚れたマントをまとい、空腹に喘ぐ人々のもとへ本物のあんパンを配り歩く「小太りの中年男」だったのだ。
空を飛べば息が切れ、決して強くもなく、世間からは不審者扱いされて嘲笑される。それでも、戦場や貧困の街で飢える子どもたちを救うためだけに飛び続ける男。その後、1973年に幼児向けの単行本絵本として現在の姿に近いキャラクターへと再構成されたが、出版当初に待っていたのは教育関係者や批評家たちからの猛烈なバッシングだった。
当時の児童文学界では「顔を食べさせるなんて残酷でグロテスクだ」「幼児に悪影響を与える悪書」と容赦ない酷評が浴びせられた。しかし、大人の冷笑をよそに、図書館や幼稚園の現場で子どもたちはボロボロになるまでその絵本を読み耽った。理屈を超えた本能のレベルで、子どもたちはそこに宿る無償の愛と本質的な温もりを感じ取っていたのである。