名優・天知茂の伝説と早逝の真相|明智小五郎から『昭和ブルース』まで
名優・天知茂の伝説と早逝の真相|明智小五郎から『昭和ブルース』までの要点や背景を専門的かつ分かりやすくまとめました。全体像を一目で把握できます。
天知茂のテレビドラマにおける代表作として、まず名前が挙がるのが1977年からテレビ朝日系の「土曜ワイド劇場」枠でスタートした『江戸川乱歩の美女シリーズ』です。天知が演じた名探偵・明智小五郎は、知性と気品、そして内に秘めた狂気と哀愁を完璧に体現していました。変装を解いてトレードマークの表情を見せるクライマックスのカタルシスは、お茶の間を釘付けにし、シリーズは高視聴率を連発。名探偵・明智小五郎の決定版として後世の映像化作品にも決定的な影響を与えました。
もう一つの金字塔が、1973年から放送されたテレビドラマ『非情のライセンス』です。天知が演じた警視庁特捜部の会田刑事は、法で裁けぬ巨悪に怒りを燃やし、己の信念のみに従って非情に徹する孤独な男。トレンチコートの襟を立て、タバコをくゆらせるその佇まいは、まさに日本のハードボイルド劇の頂点と評されました。
本作のエンディングテーマとして天知自らが歌った「昭和ブルース」は、哀愁を帯びた低音ボイスと人生のやるせなさを歌い上げた名曲としてレコード売り上げでも大ヒットを記録。俳優としてだけでなく、歌手としても時代の空気を鮮やかに切り取ってみせました。