タクティールケアとは?認知症や痛みを和らげる効果と手技の全貌
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タクティールケアの語源は、ラテン語で「触れる」「触覚」を意味する「タクティリス(Taktilis)」に由来します。1960年代のスウェーデンにおいて、未熟児集中治療室(NICU)の看護師たちが、保育器の中で不安に震える新生児を優しく包み込むように撫でたことから始まりました。その後、高齢者医療や認知症ケアの専門機関である「シルビアホーム」などを通じて臨床研究が進められ、体系的なケア技法として確立された歴史を持ちます。
日本国内には2006年、スウェーデンの福祉ノウハウを導入する日本スウェーデン福祉研究所(Jsci)などを通じて本格的に紹介されました。現在では一般社団法人タクティールJAPANなどの普及団体も活動しており、医療・介護施設のみならず在宅介護の現場でも広く認知されています。
タクティールケアの根本原則は、「施術者が自らの温かい手を用い、相手の背中や手足を1回あたり約10分間、包み込むように柔らかく撫でること」にあります。指圧のようにツボを刺激したり筋肉を強く揉みほぐしたりする動作は一切行いません。触覚を通じて相手に「あなたの存在を無条件で受け入れている」という安心感をダイレクトに届ける、非言語コミュニケーションの極致ともいえるケア技法です。