地上の楽園の真相とは?北朝鮮帰国事業の実態と最新裁判の行方
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北朝鮮帰国事業をめぐる歴史を検証する上で避けて通れないのが、日本国内の公的機関や国際機関が果たした役割です。この事業は単に北朝鮮側の宣伝工作だけで成立したのではなく、日本側の治安政策や財政的思惑が複雑に交錯していました。
当時、日本政府内では、在日朝鮮人に対する生活保護費の財政負担軽減や、治安上の懸念を背景に、彼らの退去を促したいという意向が存在していました。そこで「人道主義」を前面に掲げ、日本赤十字社の関与と国際赤十字委員会(ICRC)の仲介を利用する形で、手続きと送還業務が進められた経緯があります。
日赤は表向き「個人の自由意思に基づく人道的な帰還」を強調し、新潟にセンターを設けて面談や登録業務を行いました。しかし、一度現地に渡れば二度と日本へ戻れないという重大なリスクや、現地の劣悪な情報について十分な説明・警告がなされたとは言えません。メディアの過熱報道と相まって、「人道」の名のもとに安全確認が不十分なまま約9万3000人の渡航が既成事実化されていった構図は、今なお歴史の重い教訓として突きつけられています。