香川・善通寺「宮川製麺所」が守り抜く昭和の原風景——黄金色に輝く「いりこ出汁」とセルフうどんの真髄【2026年現地取材】

話題沸騰中の 香川・善通寺「宮川製麺所」が守り抜く昭和の原風景——黄金色に輝く「いりこ出汁」とセルフうどんの真髄【2026年現地取材】について、詳しいまとめをご紹介しています。

詳細を見る

店内に入ってからの流れは、初訪問者にとって少しスリリングだ。自分で丼を選び、希望の玉数を告げる。受け取った麺をテボ(温め用のザル)に入れ、お湯の中で数秒泳がせる。好みの天ぷらやアゲをトッピングし、最後に出汁を注いで会計へと進む。すべてが客自身の手に委ねられている。

「最初は戸惑ったけれど、地元の人たちの真似をしながら出汁を注ぐ時間がたまらなく楽しい」。東京から訪れたという30代の旅行者はそう語る。店内にはテーブル席と座敷があり、見知らぬ客同士がごく自然に相席で腰を下ろす。新聞を読みながら黙々とすする近所のおじいさん、部活帰りに大盛りを平らげる高校生、SNSの評判を聞きつけてやってきた観光客。多様な人々が同じ空間で、同じ温かい湯気に包まれている。そこには効率化やマニュアル接客では絶対に再現できない、コミュニティの居場所としての温もりがある。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest