カタールW杯スタジアム建設の光と影|総工費30兆円の現在と解体の行方

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砂漠気候という過酷な自然環境を克服するため、冷房完備スタジアムに導入された最新技術は建築工学の粋を集めたものでした。主導したのは「Dr. Cool」の異名を持つカタール大学のサウド・アブドゥルアジズ・アブドゥル・ガニ教授です。

このシステムは単にスタジアム全体を冷やすのではなく、「ピンポイント冷却」という発想に基づいています。太陽光発電を利用した地域冷房プラントから冷水を送り込み、ピッチサイドのノズルや各観客席の下に設置された吹き出し口から、冷却された空気を正確に噴射します。さらに、空気力学を活用した屋根の開口部設計により、冷たい空気が外に逃げず、スタジアム内部に留まる「冷気バブル」を作り出すことに成功しました。

この技術により、外気温が40度を超える環境であっても、ピッチ上と観客席は常に快適な20〜24度前後に保たれました。大会が異例の11月〜12月(冬開催)へシフトしたこともあり、選手たちは高温によるパフォーマンス低下に悩まされることなく、質の高いプレーを披露することが可能となりました。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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