炭火焼肉はなぜ格別に美味い?炭の味の正体と科学の真相
炭火焼肉はなぜ格別に美味い?炭の味の正体と科学の真相とはどのようなものなのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
一方で、SNSや口コミサイトでは「炭火で焼いた肉が焦げ臭い」「煙の酸味や石油のような嫌な匂いが肉について美味しくなかった」という不満の声もしばしば見受けられます。「炭火=必ず美味しい」とは限らないのはなぜでしょうか。
肉が不快な「炭臭さ」を帯びてしまう最大の原因は、木炭の不完全燃焼と揮発分(木酢液成分・着火剤成分)の付着にあります。
安価な木炭や湿気を吸った炭は、火が全体に回っていない段階で大量の白煙を放出します。この白煙には、木材に含まれるタール分や酸性の揮発性物質が濃縮されており、これが肉に付着すると舌を刺すようなエグ味や嫌な酸味(木酢臭)に変わります。また、アウトドアバーベキューで最も多い失敗が、「着火剤の火が残っているうちに肉を焼き始めること」です。石油系溶剤を含む着火剤の揮発ガスが肉に吸着すると、化学薬品のような悪臭を放ち、肉の風味を完全に破壊してしまいます。
もう一つの原因は、「落ちた脂の炎上による黒煙(煤=すす)」です。適度な燻煙は芳香をもたらしますが、脂が炭に落ちてボワッと立ち上がった「赤い炎」で肉を直撃すると、不完全燃焼した炭素の微粒子(煤)が肉にベッタリと付着し、強烈な苦味と焦げ臭さの原因になります。「火が出ているところで肉を焼く」のは炭火焼きにおいて絶対のNG行為です。