日ハム有原航平はなぜ古巣復帰を拒んだのか?ソフトバンク移籍の真相

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日本ハムのエースとして2019年には15勝を挙げて最多勝を獲得した有原投手。2026年オフ、球団の容認を得て海を渡った右腕が、わずか2年でNPBに復帰する際、なぜ古巣のユニフォームを着なかったのか。そこには単なる「愛着」だけでは片付けられない、シビアなプロビジネスの現実が存在していました。

最大の決定打となったのは、獲得オファーにおける条件提示の圧倒的な格差です。2026年オフ、レンジャーズ傘下3Aを自由契約となった有原投手の獲得に真っ先に乗り出したのはソフトバンクでした。提示された条件は3年総額12億円(推定)規模の超大型契約。先発ローテーションの再編を急務としていたソフトバンクにとって、NPB通算60勝の実績を持つ即戦力右腕は喉から手が出るほど欲しいピースでした。

一方で、当時の日本ハムは新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」の開業を翌年に控えた過渡期にありました。新庄剛志監督のもと、徹底した若手選手の抜擢とコスト構造の適正化を進めており、実績はあるものの右肩手術明けで状態が不透明だった投手に複数年の巨額契約を提示することは、球団の編成方針と完全に乖離していたのです。球団幹部も調査自体は行っていたものの、マネーゲームに参入する意向はありませんでした。

さらに見逃せないのが、ポスティング移籍とNPB復帰における制度上の隙間です。かつてNPBから海外FA権でメジャーへ移籍した選手と異なり、球団の容認によるポスティングシステムで渡米した選手であっても、MLB球団を退団して自由契約(ノンテンダーFAなど)となれば、NPB規約上はどの球団とも自由に契約できるフリーエージェントとなります。日本ハム球団には2026年オフの移籍時に約1億3000万円の譲渡金(ポスティングフィー)が支払われており、法的には契約関係が完全に清算されていました。感情論を排除すれば、市場で最も高い評価を下した球団を選ぶことはプロアスリートとして合理的な決断だったと言えます。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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