便秘で死亡する理由とは?命を落とす危険なサインと受診基準
便秘で死亡する理由とは?命を落とす危険なサインと受診基準の具体的な内容に迫る! 専門的な視点でまとめました。
医療現場において、便秘は「致死性疾患の引き金」になり得ることが広く知られています。国内の法医学解剖記録や学会報告のなかでも特に有名な事例として、21歳の女性が約1年間にわたり極度の便秘を放置した末、腹部に数キログラムもの糞便が充満して腸管穿孔と敗血症性ショックで死亡した事例が知られています。また、高齢者施設や在宅医療の現場でも、便が直腸や結腸に岩のように詰まる「糞便塞栓(ふんべんそくせん)」から急変し、命を落とす事例は決して珍しくありません。
便秘が死に至る主なルートは大きく分けて2系統存在します。1つは消化管そのものの物理的破壊と重症感染症、もう1つは循環器系への過剰な負荷による急死です。
長期間滞留した便は水分を奪われ、コンクリートのように硬くなります。これが腸壁を圧迫し続けると血流が途絶えて腸管壊死(えし)を起こし、最終的に腸の壁が破れる「腸管穿孔(ちょうかんせんこう)」に至ります。腸の内容物や大量の大腸菌が腹腔内に漏れ出せば、激痛を伴う「汎発性腹膜炎(はんぱつせいふくまくえん)」を発症し、短時間で全身に細菌毒素が回る敗血症性ショックから死に至るのです。
さらに見過ごせないのが、硬い便を無理に出そうと強くいきむことで血圧が200mmHg以上に急上昇し、心筋梗塞や大動脈解離、脳出血を誘発するケースです。トイレの密室で倒れ、発見が遅れて心肺停止に至る「排便時ショック死」は、寒暖差の激しい冬場を中心に年間を通じて多発しています。