ネットバンキング不正送金は全額戻る?全銀協補償の落とし穴と救済基準
ネットバンキング不正送金は全額戻る?全銀協補償の落とし穴と救済基準とは一体何なのか? 主要なファクトを簡潔に解説します。
個人口座と法人口座では、適用される法規範と保護の手厚さが根本から異なります。個人口座が消費者保護の観点から手厚く守られているのに対し、事業を営む法人は「相応のセキュリティ対策と内部統制を自力で講じる能力がある」とみなされるため、法人口座の不正送金は原則として補償対象外(自己責任)となります。
しかし、中小企業や個人事業主が被害に遭った場合、数百万円〜数千万円の資金流出がそのまま倒産に直結しかねません。こうした実態を受け、多くの銀行では一定の要件を満たした法人顧客に対して救済を行う法人口座補償特約や救済内規を設けています。
ただし、法人が補償を受けるためのハードルは極めて厳格です。
・金融機関が指定するセキュリティソフト(SaAT NetizenやRapportなど)を常時稼働させていたか
・電子証明書の導入や複数人による承認機能(ダブル承認)を利用していたか
・アクセス権限の管理やパスワードの定期変更など、内部管理規定が適切に遵守されていたか
これらの必須対策を1つでも怠っていた場合、補償申請は容赦なく却下されるケースが多いため、法人の経理・財務担当者は自社のセキュリティ要件を平時から再確認しておく必要があります。