森光子の伝説と真実|放浪記から東山紀之・遺産の真相まで総力検証
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森光子の女優人生を語る上で欠かせないのが、作家・林芙美子の半生を描いた舞台『放浪記』です。1961年の初演から2009年の千秋楽に至るまで、同一主演者による単独主演記録通算2017回という、日本演劇史上に残る大記録を樹立しました。
劇中で主人公・林芙美子に原稿の依頼が舞い込み、喜びを全身で表現する名場面が「でんぐり返し(前転)」です。初演当初はアドリブに近い動きでしたが、観客の絶大な支持を集め、作品の象徴的なクライマックスとして定着しました。彼女はこのワンアクションのために毎日の筋力トレーニングとスクワットを欠かさず、80歳を過ぎても舞台上で鮮やかな前転を披露し続けました。
しかし、寄る年波による首や腰への負担を考慮し、2008年以降は演出を変更。安全面を最優先し、「側転」や「万歳三唱」「喜びのステップ」へと形を変えながらも、観客に対する熱量は決して落としませんでした。この妥協なき舞台への献身が評価され、2009年に女優として初となる国民栄誉賞を受賞(生存者への授与としても文化界で極めて異例)。受賞理由には「長年にわたり舞台演劇の第一線で活躍し、国民に夢と希望と活力を与えたこと」が明記されました。