いだてんはなぜ傑作と再評価されるのか?低視聴率の真相と伏線回収の全貌
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本作の大きな魅力は、主人公二人の波乱に満ちた生涯をフィクションとして面白おかしく脚色するだけでなく、過酷な史実と実話に正面から向き合った誠実さにあります。
前半の主人公である金栗四三(中村勘九郎)は、「日本のマラソンの父」と称されながらも、日本人初のオリンピック(1912年ストックホルム大会)で日射病によりレース途中で意識を失い、記録上「行方不明」となる挫折を味わいました。劇中ではその失意と再起、女子体育の普及に捧げた情熱、そして54年後の1967年にストックホルムへ招かれ、「54年8か月6日5時間32分20秒3」でゴールテープを切った歴史的実話までが感動的に描かれます。
後半の主役を務める田畑政治(阿部サダヲ)は、新聞記者でありながら水泳指導者として日本水泳界を世界水準へ押し上げ、1964年の東京オリンピック招致を情熱と政治力で牽引した異色の実在人物です。早口で落ち着きがなく、周囲を巻き込むエネルギーに満ちた彼のキャラクターは、阿部サダヲの怪演によって生命を吹き込まれました。後半のキャスト相関図では、政治家・官僚・スポーツ界が入り乱れる権謀術数と、戦争によって幻となった1940年東京五輪の悲哀が生々しく活写されます。