分数の足し算はなぜ分母を足さない?小学生がつまずく理由とプロの教え方
分数の足し算はなぜ分母を足さない?小学生がつまずく理由とプロの教え方について押さえておきたい 事実を分かりやすく解説いたします。
分数の足し算を学び始めた子どもが真っ先に抱く違和感が、「なぜ足し算なのに分母は足してはいけないのか」という疑問です。足し算とは「足すこと」であると教わってきた子どもにとって、上の数字(分子)だけを足して下の数字(分母)をそのまま据え置く操作は、直感に反する不可解なルールに映ります。
この疑問を放置したまま「そういう決まりだから」と暗記を強要することが、算数嫌いを生み出す最大の温床です。分母を足してはいけない理由は、「分母は数ではなく、ものの大きさ(単位)を表すラベルである」という点に集約されます。
わかりやすい具体例として、ピザを思い浮かべてみましょう。「1/2枚のピザ」と「1/2枚のピザ」を合わせると、当然ながら「ピザ1枚(丸ごと1つ)」になります。しかし、もし分母同士も足してしまうとどうなるでしょうか。
(1/2)+(1/2)=(1+1)/(2+2)= 2/4 = 1/2
「半分と半分を足したのに、なぜか元の半分のまま」という致命的な矛盾が生じてしまいます。これは、分母の「2」が「全体を2つに分けたうちの1切れ」というサイズの規格(単位)を示しているにもかかわらず、それを個数として足し合わせてしまったために起こる論理破綻です。
身近な単位で例えるなら、「300ミリリットル + 500ミリリットル = 800ミリリットル」を計算する際、数字の300と500は足しますが、単位である「ミリリットル」同士を足して「ミリリットルミリリットル」にしたりはしません。分数における分母もこれとまったく同じ役割を果たしています。「1/5 + 2/5 = 3/5」とは、「1/5というサイズのピースが、1個と2個で合計3個になった」という意味なのです。