月明かりに包まれる「赤」の聖地へ——開館20周年を迎えた広島・三次の奇跡

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奥田元宋の代名詞といえば、画面全体を焦がすような鮮烈な赤、「元宋紅」だ。紅葉に染まる山々や燃えるような夕空を描いた大作の前に立つと、キャンバスから熱量がダイレクトに伝わってくる。対照的に、妻である奥田小由女の人形作品は、静けさと優美な曲線を纏い、どこか包み込むような温かさを湛えている。

平面の絵画と立体の人形。異なる手法を用いながらも、ふたりの根底に流れるのは自然への深い敬意と人間愛だ。展示室ではふたりの作品が対置されるように配置され、視線の行き交うダイナミックな対話を楽しめる。この重厚な美のコントラストこそが、何度訪れても新しい発見をもたらす最大の要因である。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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