昔のマウスに入っていた「重い球」の正体とは?消えた理由と進化の歴史
昔のマウスに入っていた「重い球」の正体とは?消えた理由と進化の歴史についての疑問解決ガイドをご紹介します。
マウスという入力デバイスの歩みは、PCのインターフェースや操作体系の進化そのものです。初期のPCにおいて、マウスは主にD-sub 9ピンの「シリアルポート(RS-232C)」に接続されていました。大きなコネクタをネジでパソコン背面に固定するスタイルで、データの転送速度も極めて限られていました。
1990年代に入ると、IBMが提唱した小型円形コネクタ「PS/2端子」が業界標準となります。キーボード用(紫色)とマウス用(緑色)に色分けされた端子は自作PCユーザーやオフィスでおなじみでしたが、プラグアンドプレイに完全対応していなかったため、「PC起動中にマウスが抜けると、再起動するまで認識しない」という仕様に頭を抱えたユーザーも少なくありません。
一方、Macintoshを展開するAppleのアプローチは極めて独創的でした。1984年の初代Mac登場以来、スティーブ・ジョブズは「ユーザーを迷わせない究極のシンプルさ」を掲げ、伝統的な「1ボタンマウス」を一貫して採用し続けます。Windows陣営が右クリックメニューやスクロールホイール(1996年にマイクロソフトが普及させた機構)を取り入れて多機能化を進める中、Appleはあえてボタンを1つに絞り、キーボードの「Control」キーとの組み合わせでコンテキストメニューを呼び出す設計を貫きました。
その後、接続規格は万能規格であるUSB(Universal Serial Bus)へと完全統合され、抜き差し自在のホットプラグが実現。通信方式も2.4GHz帯ワイヤレスやBluetoothへとシフトし、現在では数ミリ秒の遅延すら許さない超高精度ゲーミングマウスや、手首の負担を軽減するエルゴノミクスデザインへと極限の洗練を遂げています。