ボルトを撃破した光と影の王者、ジャスティン・ガトリン波乱の全貌
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復帰後のガトリンを待ち受けていたのは、異次元の強さで世界を魅了していた絶対王者ウサイン・ボルトの存在だった。世間はボルトを「光のヒーロー」、ガトリンを「影の悪役」と対比させた。入場時、観客席から浴びせられる容赦ないブーイング。しかし、泥臭く牙を研ぎ続けた成果が結実したのが2017年世界陸上競技選手権大会(ロンドン大会)だった。
男子100m決勝。日本で生中継したTBSテレビの画面からも緊張感が激しく伝わっていた。8レーンから飛び出したガトリンは、終盤まで乱れない走りでボルトの猛追をわずか100分の2秒差で退けた。9秒92での劇的な金メダル。ゴール直後、彼は口元に指を当てて静寂を求めた後、ボルトの前で膝をついた。長年のバッシングに対する沈黙の回答であり、絶対王者への最大のリスペクトを込めた儀式だった。