手ピカジェル黄色とピンクの違いは?効果と危険な盲点をプロが徹底解説
手ピカジェル黄色とピンクの違いは?効果と危険な盲点をプロが徹底解説についての真相をお届けします。
店頭で多くの人が迷う手ピカジェルの黄色とピンクの違い。その本質は、単なるグレードの差ではなく「ターゲットとする病原体の構造」にあります。結論から言えば、インフルエンザなど日常的な感染症対策であればピンクの通常版で十分カバーできますが、冬場に猛威を振るうノロウイルスやロタウイルスを警戒するなら黄色の「手ピカジェルプラス」一択となります。
健栄製薬が公表している成分表を読み解くと、基本となる消毒成分はどちらもエタノール(76.9〜81.4vol%)であり、アルコール濃度の比較において数値上の違いはほぼありません。手荒れ防止のために配合されている保湿成分「ヒアルロン酸Na」も共通して含まれています。それにもかかわらず対応範囲が激変する秘密は、黄色にのみ添加されている「リン酸」の存在にあります。
ウイルスは大きく分けて、脂質の膜を持つ「エンベロープウイルス(インフルエンザウイルス、コロナウイルスなど)」と、膜を持たず強固なタンパク質の殻に覆われた「ノンエンベロープウイルス(ノロウイルス、アデノウイルスなど)」の2種類に分類されます。従来のアルコール消毒液は脂質膜を破壊することで効果を発揮するため、タンパク質の殻を持つノンエンベロープウイルスにはアルコールが浸透しにくく、効き目が期待できないという弱点を抱えていました。
健栄製薬はこの医学的課題を打破すべく、アルコール液にリン酸を加えてpHを弱酸性に調整する技術を開発。酸性条件下ではウイルスのタンパク質の殻が変性し、アルコールが内部に入り込みやすくなります。その結果、手ピカジェルプラスはノロウイルスへの有効性を獲得し、広範囲の病原体を1本でカバーできる指定医薬部外品(販売名:手指消毒用ジェルV3)として医療・介護の現場からも絶大な支持を得るに至りました。