ブレジネフのキスはなぜ男同士で唇に?歴史の真相とベルリンの壁画

ブレジネフのキスはなぜ男同士で唇に?歴史の真相とベルリンの壁画についての疑問解決ガイドをお届けします。

インターネット上やSNSでは、この写真や壁画に対して「ブレジネフとホーネッカーは同性愛関係だったのか?」という疑問が定期的に投稿されます。しかし、歴史学的・社会学的に見て、そこに性的指向の要素は一切含まれていません。

当時のソビエト連邦刑法121条において、男性間の同性愛行為は重罪とされ、最長5年の強制労働刑が科されるほど苛烈に弾圧されていました。そのような社会体制の頂点に君臨する独裁者が、公衆の面前で同性愛的な意図を持ってキスをすることは論理的にもあり得ません。

西側の市民にとって「男性同士の唇へのキス」は恋愛関係やセクシュアリティの文脈でしか解釈されにくい行為でしたが、ロシア・スラブ文化圏においては「精神的絆・血盟・神聖な誓い」を意味する身体表現でした。この文化的な文脈の決定的な断絶こそが、西側における強いセンセーショナリズムを生んだ根本原因です。

また、すべての共産圏首脳がこの儀礼を無批判に受け入れていたわけではない点も重要です。前述のカストロのように、キューバ人としてのプライドと自主性を守るために葉巻を使って巧妙にキスを回避した事例などは、共産圏内部における権力バランスの駆け引きを如実に物語っています。

池田 達也

池田 達也

マネー&キャリアエディター

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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