デカップリングコンデンサ徹底攻略!パスコンとの違いや配置・計算の鉄則
デカップリングコンデンサ徹底攻略!パスコンとの違いや配置・計算の鉄則の全貌を分かりやすくまとめてご紹介します。
どんなに高性能な低インピーダンスコンデンサを採用しても、基板パターン設計が杜撰であればその効果は半減、あるいは完全に無効化されます。高周波領域におけるコンデンサの働きを支配するのは、部品自体の定格ではなく「寄生インダクタンス」だからです。
1. IC電源ピン近傍配置と配線長の最小化
第一の鉄則は、IC電源ピン近傍配置を徹底することです。プリント基板上のパターン配線は、1mmあたり約0.6nH〜1nHの寄生インダクタンスを持ちます。コンデンサとIC電源ピンの距離がわずか5mm離れるだけで、数nHの不要なインダクタンスが直列に挿入され、過渡電流の供給レスポンスが致命的に遅延します。
GlobalWellPCBAなどの実装技術レポートでも指摘されている通り、コンデンサからICピンまでのトレース(配線)は極力太く、かつ最短距離で結ぶことが大原則です。
2. 電流ループ面積の最小化
高周波電流が流れる経路(IC電源ピン → コンデンサ → GNDピン)によって形成される「電流ループ」の面積は、放射ノイズの大きさに直結します。ループ面積が広がると、基板パターン自体が微小なループアンテナとして働き、不要輻射(EMI)を撒き散らします。
電源ピンとGNDピンの間にコンデンサを配置する際は、行きと帰りの電流経路が重なり合うようにトレースを密接させ、ループ面積を最小化することがノイズ抑制の鍵を握ります。
3. ビア(Via)配置の落とし穴とグラウンドプレーンへの接続順序
多層基板における配線順序には、絶対に破ってはならない配置ルールが存在します。
- NGな配線例:電源供給ビア → IC電源ピン → コンデンサ(コンデンサがスタブ配線の先にある状態)
- OKな配線例:電源供給ビア → コンデンサのパッド → IC電源ピン
電源プレーンや配線から流れてくる電流が、必ずコンデンサの端子パッドを経由してからICのピンへ入るレイアウトを徹底してください。また、コンデンサのグラウンド側端子は、細い引き出し配線を経由させるのではなく、パッドの直近に複数のビアを打ち込み、内層のベタグラウンドプレーンへ最短で落とす設計が必須です。