谷川俊太郎『朝のリレー』全文解説|教科書やCmで愛される真の主題

谷川俊太郎『朝のリレー』全文解説|教科書やCmで愛される真の主題の全体像を詳しく解説してご紹介します。

まずは、谷川俊太郎さんの代表作である『朝のリレー』の全文をじっくりと味わってみましょう。声に出して読むことで、言葉の持つ独特のリズムや心地よさがより一層際立ちます。

『朝のリレー』 谷川俊太郎

カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする

この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

誰でも直感的に理解できる『朝のリレー』の現代語訳

詩の持つニュアンスをより身近に感じるために、日常の言葉へ置き換えた現代語訳を以下にまとめました。

「極寒のカムチャツカ半島に住む若者が、遠いアフリカの動物であるキリンの夢を見ながら眠っているとき、地球の反対側にあるメキシコでは、若い女性が朝霧の立ち込める中、出かけるためのバスを待っています。
大都会ニューヨークの少女がベッドの中で微笑みながら心地よく寝返りを打っているとき、古代の歴史が息づくローマの少年は、神殿の柱のてっぺんを照らす美しい朝日に向かってウインクを投げかけています。

私たちが暮らすこの地球の上では、途切れることなく常にどこかで新しい朝が始まっています。私たち人間は、東から西へと、経度から経度へとバトンを渡すように朝をリレーしているのです。そうして互いに交代しながら、生きる営みを続けることで地球という場所を守っています。
あなたが夜、眠りにつく前に静かに耳を澄ませてみてください。どこか遠くの国で、誰かの目覚まし時計のベルが鳴り響いているはずです。その音こそ、あなたが今日一日を精一杯生きて手渡した『朝』のバトンを、世界の誰かがしっかりと受け取ってくれた何よりの証拠なのです」

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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