組体操「人間起こし」はなぜ消えた?重大事故の実態と全面禁止の全真相
組体操「人間起こし」はなぜ消えた?重大事故の実態と全面禁止の全真相とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を整理してお届けします。
組体操の「人間起こし」は、別名「ポップアップ」「ロケット」などとも呼ばれ、複数人の土台が仰向けや屈み姿勢から合図とともに一瞬で立ち上がり、中央に乗っている生徒を上方へ勢いよく押し上げる立体技です。空中へと突き上げられた生徒が直立姿勢で決める姿は視覚的なインパクトが非常に強く、会場の歓声を誘う見せ場として多用されていました。
しかし、この技の構造には極めて危険な欠陥が存在します。土台となる数名の生徒の筋力や身長、立ち上がるタイミングがわずかコンマ数秒ズレるだけで、頂点の生徒にかかる推進力は大きく偏向します。支えを失った頂点の生徒は、無防備な状態のまま頭部や首からグラウンドへ真っ逆さまに落下する構造になっていたのです。
さらに、通常の組体操技と異なり、上乗せされた生徒は「空中に放り出される」慣性エネルギーを受けるため、落下時に手をついて受け身を取る余裕すらありません。アクロバットや体操競技のプロフェッショナルですら補助器具や厚手のウレタンマットなしでは行わない難度のアクションを、土の校庭の上で、十分な訓練期間もない一般の児童・生徒が行っていたという点が、この技の最大の問題点でした。