瀬戸内寂聴と井上光晴の禁断愛|出家理由と妻・娘が明かした真相
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泥沼の愛憎劇に終止符を打つべく、瀬戸内晴美が下した決断が1973年11月14日の「出家」でした。岩手県平泉の中尊寺において、今春聴大僧正を師僧として得度。51歳にして世俗の髪を剃り落とし、法名「寂聴」を名乗ることとなります。
世間はベストセラー作家の突然の出家に驚愕しましたが、その深層にあった出家の理由こそが、井上光晴との断ち切れない愛執でした。寂聴は後に、自らの著作や法話の中でこう振り返っています。自力ではどうしても井上光晴への狂おしい執着や情念を断ち切ることができず、このままでは人間としても作家としても破滅してしまうという強い恐怖があったのです。
「男と別れるためには、死ぬか、髪を切って仏弟子になるしかなかった」――。仏門に入ることだけが、愛欲の地獄から抜け出し、魂を救済する唯一の逃げ道でした。しかし驚くべきことに、得度式の当日、寺の控え室には井上光晴とその妻・郁子の姿がありました。俗世の愛憎を超越した、異様な関係性の幕開けでした。