6月30日になぜ水無月を食べる?初夏を彩る和菓子の由来と厄除けの秘密
6月30日になぜ水無月を食べる?初夏を彩る和菓子の由来と厄除けの秘密について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をお届けします。
6月は水無月だけでなく、和菓子界全体にとって記念すべき特別な日が存在します。それが6月16日の「和菓子の日」です。1979年に全国和菓子協会によって制定されたこの記念日は、平安時代中期の元号改元に由来する由緒正しい歴史を持っています。
平安初期の承和15年(848年)、国内で疫病が猛威を振るった際、仁明天皇が神託を受け、6月16日に16個の菓子や餅を神前に供えて厄除けと健康招福を祈願しました。この吉日にちなんで元号を「嘉祥(かじょう)」へと改元したことから、この日は「嘉祥の祝」「嘉祥の日」と呼ばれる年中行事として定着しました。
室町時代から江戸時代にかけて、嘉祥の儀は武家や庶民の間にも広く浸透していきます。徳川幕府では毎年6月16日、大広間に何万個もの菓子を敷き詰め、将軍が大名や旗本へ下賜する大規模な儀式が執り行われました。庶民の間でも「16文」で16種類の菓子を買い求めて無言で食べるなど、笑いと福を呼び込む風習として楽しまれました。
現代の和菓子店でも、6月16日前後には特別な「嘉祥菓子」や16にちなんだ限定アソートが販売されます。日頃の感謝を伝える贈りものとしてはもちろん、これから迎える盛夏に向けた厄除けの縁起物として、今再び脚光を浴びています。