松山刑務所脱走事件の全貌|塀のない作業場からの逃走劇と現在の姿
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事件が起きたのは2018年4月8日夜のことでした。現場となったのは、松山刑務所の管轄下にあり、民間造船所敷地内に併設された「大井造船作業場」です。この施設は、受刑者の自律性を重んじ、社会復帰を円滑に進める目的で作られた国内極めて稀な開放的処遇施設でした。
大井造船作業場には、一般的な刑務所にあるような高いコンクリートの塀や鉄格子、監視塔が存在しません。受刑者は個室で生活し、鍵も内側から掛けられるなど、徹底して自己管理に委ねられた環境が整備されていました。そのため、全国的にも「塀のない刑務所」として知られていた場所です。
脱走した平尾龍磨(当時27歳)は、窃盗罪などで服役しており、模範囚として選抜されて同作業場へ配属されていました。しかし4月8日午後6時すぎ、点呼の合間を縫って作業場内の本館から敷地外へと抜け出します。物理的な高い障壁がなく、受刑者への信頼を前提としていた開放的な環境の隙を突いた犯行でした。