33歳で夭折した文豪・中島敦の真実!山月記の苦悩とパラオ赴任の謎
33歳で夭折した文豪・中島敦の真実!山月記の苦悩とパラオ赴任の謎の主要なニュースを専門的かつ分かりやすくまとめました。最新トレンドを一目で把握できます。
中島敦の文学の真骨頂は、格調高い漢文調のリズムと、鋭敏な近代的自我の葛藤が同居している点にあります。短命だった彼の代表作には、今なお胸を打つ研ぎ澄まされた名言が散りばめられています。
代表作『山月記』では、詩人として名を成そうと焦燥しながら虎になり果てた李徴を通じて、人間のエゴイズムを告発しました。
「人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという」
「己の珠に非ざることを懼れるが故に、敢て刻苦して磨こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出来なかった」
この「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の分析は、何者かになりたいと焦るすべての現代人の心を捉えて離しません。また、遺作となった大作『李陵』では、異民族の捕虜となった悲劇の武将・李陵や、宮刑に耐えながら歴史を編纂した司馬遷の運命を重厚に描き、自己の運命に立ち向かう人間の尊厳を極限まで描き切りました。さらに孔子と無骨な高弟・子路の絆を描いた『弟子』など、短い活動期間に生み出された珠玉の作品群は、日本文学史に不滅の金字塔を打ち立てています。