福山でスープカレーブーム到来|新店「栞」が切り拓く地元グルメの新時代
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スープカレーの歴史は1970年代の札幌にさかのぼる。喫茶店「アジャンタ」が提供した薬膳カリィが原型とされ、その後、札幌市内で独自に進化を遂げた。従来の日本式カレーとは一線を画すサラサラとしたスープ状のカレーに、大ぶりの野菜や肉を豪快に盛り込むスタイルは、瞬く間に北海道全域へ広がった。
2000年代に入ると、東京や大阪などの大都市圏でもスープカレー専門店が次々と登場。健康志向の高まりと相まって、野菜をたっぷり摂取できるメニューとして支持を集めた。だが、地方都市への浸透は意外にも緩やかだった。
福山市は人口約46万人を擁する広島県第2の都市だ。瀬戸内海に面し、古くから鉄鋼業や繊維産業で栄えてきた。食文化においては、お好み焼きや尾道ラーメンといった広島県内の名物が身近にある一方で、新しいジャンルの外食文化を受け入れる土壌も育ってきた。近年、駅周辺や郊外エリアにカフェやエスニック料理店が増加し、多様な味覚を求める若年層や子育て世代が増えている。
このタイミングで「栞」がオープンした背景には、経営者の独自の戦略がある。もともと味噌ラーメン店「ミゾラ」を営んでいた店主が、味噌を活かした新たなメニュー開発を模索する中でスープカレーに着目した。豚骨と味噌の組み合わせは、九州と北海道の食文化を融合させた挑戦だ。