鯰組が遺した木造建築の真実──職人魂と普請道楽の40年

鯰組が遺した木造建築の真実──職人魂と普請道楽の40年にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

近年、鯰組はGOETHE社と提携し、「普請道楽 鯰組 by GOETHE」というプロジェクトを立ち上げた。これは、従来の「建築家が設計し、施工業者が建てる」というモデルを根本から変える試みだった。

施主自身が、職人と共に現場に立つ。木材を選び、刻み、組み上げる。もちろん素人なので、最初はうまくいかない。だが職人が手を取り、教える。失敗しながら学ぶ。そのプロセス自体が、家づくりの醍醐味だった。

「普請道楽」という言葉には、「家を建てることを楽しむ」という意味が込められていた。急がない。完璧を求めすぎない。施主と職人が対話しながら、一緒に理想の住まいを形にしていく。このスタイルは、効率優先の現代建築業界では異例だったが、口コミで広がり、多くの共感を呼んだ。

施主が職人と共に家づくりに参加する体験型ワークショップ

施主が学ぶ「木の声を聴く」技術

普請道楽プロジェクトでは、施主は単なる発注者ではなかった。彼らは鉋の使い方を学び、継手の仕組みを理解し、木材の性質を体感した。

ある施主は、最初は「早く完成してほしい」と焦っていた。だが現場で木材に触れ、職人の手つきを見るうちに、考えが変わったという。「木には一本一本、性格がある。それを理解しないと、良い家にはならない」と。

こうした体験は、完成後の住まい方にも影響を与えた。自分の手で刻んだ柱、自分が選んだ梁。それらは単なる建材ではなく、思い出そのものになった。家のメンテナンスも、自然と丁寧になった。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest