視力を失いかけた洋画家・粉川江里子──光と影のキャンバス、10年の空白を超えた真実の叫び
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2010年、武蔵野美術大学の卒業制作展において、粉川江里子の作品は際立った存在感を放っていた。造形学部油絵学科で培われた確かなデッサン力に加え、従来の具象画の枠に収まらない独特の空間感覚。彼女の才能はすぐさま美術界の眼力あるコレクターや批評家の知るところとなる。
同年、100周年記念賞での奨励賞受賞を皮切りに、彼女のキャリアは一気に加速した。2011年、2012年、2014年と「ACT Art Award」で立て続けに評価を獲得し、2013年には「ベラドンナ劇展」で春彩賞を受賞。新進気鋭の若手洋画家として、彼女の前途には洋々とした未来が約束されているかに見えた。キャンバスに塗り重ねられる油彩の層は、彼女の情熱そのものだった。