二世の重圧を超えた怪演、趣里が魅せる唯一無二の現在地と覚悟
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趣里の演技を語る上で欠かせないのが、かつて本気で目指していたクラシックバレエの経験と、度重なる怪我による挫折の記憶だ。英国留学まで果たしながら夢を断念せざるを得なかった絶望は、彼女を舞台演劇の世界へと向かわせた。手足の先まで神経を行き渡らせる研ぎ澄まされた身体性は、劇場の後方席まで届く圧倒的な存在感の源泉となっている。
映画『生きてるだけで、愛。』で見せた過眠症のヒロイン・寧子役は、まさにその身体性と情念が極限まで昇華された傑作だった。感情を制御できずに自傷的な衝動へと走る危うさと、誰かに愛されたいと渇望する切実な眼差し。全身全霊で痛みを表現するその姿は、観る者の倫理観を激しく揺さぶり、日本映画界に強烈な衝撃を与えた。