空を埋め尽くす悪夢、食糧危機を招く蝗害の真相とAi防除の最前線
空を埋め尽くす悪夢、食糧危機を招く蝗害の真相とAi防除の最前線にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。
長年、大発生した群れへの対処は有機リン系などの化学農薬の空中散布に依存してきた。しかし、これは周辺の生態系を破壊し、家畜や住民の健康を脅かす諸刃の剣でもある。そこで熱い視線が注がれているのが、アグテック・農業バイオテクノロジーが生み出す環境調和型の防除資材だ。
昆虫病原糸状菌(メタリジウム菌)の胞子を利用したバイオ農薬は、サバクトビバッタのみに特異的に感染して死滅させるため、ミツバチや他の益虫、人畜への影響を最小限に抑えられる。さらに、バッタが集団化する際に発する集合フェロモンの受容体をブロックする阻害ペプチドや、RNA干渉(RNAi)技術を応用して生殖能力を奪う次世代スプレーの研究も急ピッチで進む。化学物質の力でねじ伏せる時代から、生物学的な知恵で制御する時代への転換点に私たちは立ち会っている。