サマーウォーズのスパコンを氷で冷やすのは可能?結露と熱暴走の真相

サマーウォーズのスパコンを氷で冷やすのは可能?結露と熱暴走の真相について押さえておきたい ポイントを厳選して解説いたします。

作中で圧倒的な存在感を放つスパコンには、明確な実在モデルが存在します。NECが開発したベクトル型スーパーコンピュータ「SX-9」シリーズです。

関係者の証言やIT業界の検証記事によると、SX-9は2007年に発表され、2008年4月から2013年3月にかけて国立天文台三鷹キャンパスなどでシミュレーション用システムとして実際に稼働していた最高峰のフラッグシップ機でした。単一コアで102.4GFLOPS(ギガフロップス)、1ノード(16プロセッサ)で最大1.6TFLOPS(テラフロップス)という、当時のベクトル型演算装置として世界最高速を誇る怪物スペックです。

SX-9が一般家庭に持ち込まれることの異常さは、その物理仕様を見れば一目瞭然です。高さは約180cm、1筐体の重量は数百kgから1トン近くに達し、電源は通常の100V家庭用コンセントではなく、工場や大型ビルで使用する「三相交流200V」や専用の高圧受電設備が不可欠でした。劇中で陣内家のブレーカーが落ちなかった理由は、同家が敷地内に大電力用の工作機械用電源や独自の自家発電設備を引いていた、あるいは防災拠点の配電盤に接続していたためと解釈されています。

本来、SX-9のような超精密計算機は、24時間体制で室温20度前後、厳格に湿度管理されたフリーアクセスフロア(二重床)のデータセンター専用クリーンルームで、床下からの強制冷気と水冷配管を組み合わせて運用するものです。畳敷きの日本家屋で扇風機と角氷を並べてフル稼働させること自体が、まさに映画ならではの超法規的な応急運用だったといえます。

山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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