コモン ベース(ベース接地回路)の全貌:高周波特性と現代エレクトロニクスを支える核心技術
コモン ベース(ベース接地回路)の全貌:高周波特性と現代エレクトロニクスを支える核心技術に関する注目トピックを分かりやすく解説します。関心のある方は必見です。
コモン ベース回路を理解するための鍵は、端子間の電位関係と電流の流れる方向にあります。
バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)は、エミッタ(E)、ベース(B)、コレクタ(C)の3つの端子から構成されます。コモン ベース配置では、入力信号をエミッタ端子に注入し、出力信号をコレクタ端子から取り出します。この際、ベース端子は直流バイアスを与えつつ、コンデンサなどを介して交流的にグランド(接地)へと落とされます。
キルヒホッフの電流法則により、トランジスタ内部を流れる電流には以下の関係が常に成り立ちます。
IE = IB + IC
ベース電流(IB)はコレクタ電流(IC)に比べて無視できるほど小さいため、エミッタ電流(IE)とコレクタ電流(IC)はほぼ等しくなります。この比率を表す直流電流増幅率 $\alpha$(アルファ)は次の公式で定義されます。
$\alpha$ = IC / IE
$\alpha$ の値は通常 0.98 から 0.995 の範囲に収まります。つまり、電流自体は増幅されず、わずかに減少します。それにもかかわらず、なぜこの回路が「増幅器」として機能するのでしょうか。
秘密はインピーダンスの劇的な変換にあります。
エミッタ−ベース間の順方向バイアスされたPN接合は、非常に低い抵抗値を示します。一方、コレクタ−ベース間の逆方向バイアスされたPN接合は、極めて高い抵抗値を示します。入力側の低い抵抗で受けて、出力側の高い負荷抵抗に同じレベルの電流を流し込むことで、結果として巨大な電圧増幅が生み出されるのです。