勝村政信が明かす『ドクターX』撮影秘話と名バイプレイヤーの矜持
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彼の演技の骨格を作り上げたのは、伝説的劇団「劇団第三舞台」での日々だ。鴻上尚史のもと、スピード感溢れるセリフ回しと躍動的な舞台表現を体に叩き込んだ。小劇場ブームの渦中で磨かれた「観客の目を一瞬たりとも逸らさせない間合い」は、その後の映像表現においても遺憾なく発揮されている。
テレビの世界へ本格的に進出した後、木村拓哉主演の伝説的ドラマ『HERO』で見せた江上達夫検事役は、彼の評価を決定づける一枚のカードとなった。生真面目でプライドが高く、どこか不器用なエリート像を嫌味なく演じ分け、お茶の間の記憶に深く刻み込まれた。
名バイプレイヤーと呼ばれる役者は数多く存在する。だが、日本のテレビドラマ・映画業界において、彼のように作品全体のトーンをコントロールできる俳優は極めて稀だ。作品が重苦しく傾きそうなときには一筋の笑いを差し込み、逆に軽くなりすぎそうな場面では底に流れる人間の業を滲ませる。その職人技とも言える手腕は、舞台という過酷な現場で培われた経験の賜物にほかならない。