チャレンジャー号爆発事故の真相|73秒後の悲劇と組織が隠した警告
チャレンジャー号爆発事故の真相|73秒後の悲劇と組織が隠した警告の注目ポイントを分かりやすくまとめてご紹介します。
大惨事の引き金を引いた物理的原因は、直径約3.7メートルの固体ロケットブースターの継ぎ目を密閉するフッ素ゴム製の巨大なパッキン「Oリング」の機能不全でした。打ち上げ当日の朝、フロリダの発射台周辺の気温は氷点下2度近くまで低下しており、発射台各所には巨大な氷柱が垂れ下がっていました。
通常、打ち上げ時の猛烈な内圧に対してOリングは瞬時に柔軟に変形し、継ぎ目を密閉(シール)する設計になっていました。しかし、氷点下の極低温によってゴムの弾力性が完全に失われ、点火直後のミリ秒単位の変形に追従できませんでした。その結果生じた微小な隙間から摂氏2,700度を超える高温高圧ガスが漏れ出し、隣接する外部燃料タンクをバーナーのように焼き溶かしてしまったのです。
大統領直属の「ロジャース調査委員会」に参加したノーベル物理学賞受賞者リチャード・ファインマン教授は、公開公聴会の席上、氷水を入れたコップの中にOリングの小片を浸し、万力で挟んで弾力性が失われる様子を実験で見せました。複雑な数式やNASA幹部の言い逃れを排し、冷水に浸したゴムが元に戻らない事実を視覚的に証明したこのシーンは、科学的誠実さが官僚の欺瞞を打ち破った歴史的瞬間として語り継がれています。