歯周病の手遅れ症状とは?抜歯宣告を回避する限界ラインと最新治療
歯周病の手遅れ症状とは?抜歯宣告を回避する限界ラインと最新治療とはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。
従来、一度溶けてしまった歯槽骨は二度と元に戻らないとされていました。しかし現代の歯科医療においては、失われた支持組織を再構築する歯周組織再生療法が確立されています。これにより、以前であれば抜歯宣告されていた重度症例でも、歯を残せるケースが増加しています。
代表的な治療法が、遺伝子組換え技術を用いたヒトbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)製剤「リグロス」を使用する手法です。歯肉を切開して感染物質を徹底的に掻爬(そうは)した後、骨欠損部にリグロスを塗布することで、未分化間葉系細胞を呼び寄せて血管新生を促し、歯槽骨やセメント質、歯根膜の再生を強力に誘導します。
抜歯宣告を回避する上で確認すべきリグロス保険適用条件は以下の通りです。
- 深さ4ミリ以上の歯周ポケットが存在すること
- X線画像等で確認できる垂直的骨欠損(骨のえぐれ)が3ミリ以上であること
- 事前の基本治療(歯磨き指導や徹底的な歯石除去)が完了し、口腔内の炎症コントロールが良好であること
水平的に平坦に骨が溶けてしまった広範な欠損には適応が難しいものの、深い垂直的な溝状欠損に対しては極めて有効な選択肢となります。また、症例によっては人工骨補填材やエムドゲイン(自費診療の豚歯胚由来エナメルマトリックスタンパク質)を併用することで、高い骨再生率を目指す抜歯宣告の回避方法が選択されます。