特捜最前線の全話はどこで見れる?全509話の配信状況と欠番の真相
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全509話という圧倒的な物量の中で、本作を不朽の名作たらしめているのは、メインライターを務めた長坂秀佳氏をはじめとする脚本陣の圧倒的な熱量です。『特捜最前線』には、単なる犯人当てのミステリーにとどまらない、人間の極限心理を描いた「神回」が数多く存在します。
まず筆頭に挙げられるのが、第350話「逃亡者と迷子の若葉マーク!」から第351話「津上刑事の遺言!」へと続く津上刑事(荒木しげる)の殉職編です。自らの正義感と刑事としての職務の狭間で苦悩し、凶弾に倒れる若き刑事の最期は、視聴者の涙を絞り尽くしました。また、第115話・第116話の「望郷 殺人カルテット!」のように、クラシック音楽をモチーフに哀切極まる犯罪者の心理を抉り出した名編は、今なおテレビ史に残る傑作サスペンスとして称賛されています。
そして本作を語る上で欠かせないのが、F.B.チリアーノが哀愁たっぷりに歌い上げたエンディング主題歌「私だけの十字架」です。事件が解決してもなお、誰も救われない重苦しい結末。夕暮れの街並みを背に、重い足取りで歩き去る特命課の面々のカットに重なるチリアーノのハスキーな歌声は、視聴者の胸に深い爪痕を残しました。カタルシスではなく、やるせない余韻をあえて叩きつける構成こそが『特捜最前線』の真骨頂でした。
1987年3月に放送された最終回(第508話・第509話「神代警視正の告白!」)では、二谷英明演じる神代警視正が、かつて心を通わせた女性を巡る過去の事件に決着をつけるべく単身奔走。巨大な警察組織の論理と、老境に差し掛かった男の個人的な愛憎が交錯する中で、特命課は事実上の解散を迎えます。華やかな大団円ではなく、それぞれの刑事が自らの信じる道を歩むために静かに去っていくその幕引きは、昭和ハードボイルドの集大成と呼ぶにふさわしいものでした。