マンザニロで実をならせる!プロが教えるオリーブ栽培の完全版
今注目を集めている マンザニロで実をならせる!プロが教えるオリーブ栽培の完全版について、多角的な視点をご紹介しています。
マンザニロを育てる最大の醍醐味は、市販の瓶詰めとは比較にならないほどフレッシュでフルーティーな「新漬け(塩水漬け)」を自宅で味わえる点にあります。
オリーブのマンザニロの収穫時期は、果実の用途によって異なります。新漬けにする場合は、果実が緑色から黄緑色へと熟し、完全に大きくなった9月下旬から10月中旬のグリーンオリーブを収穫します。完熟して紫色や黒色に変色したものは果肉が柔らかくなりすぎるため、新漬けには向かず、オイル搾油やコンフィ向きとなります。
オリーブの生果実には強烈な苦味成分「オレウロペイン」が含まれており、そのままでは決して食べられません。本格的な新漬けを完成させるための伝統的な「苛性ソーダ渋抜き法」の手順は以下の通りです。
- 選別と水洗い:傷のない綺麗なマンザニロ果実を選定し、流水で丁寧に水洗いします。
- 苛性処理(渋抜き):果実重量に対して同量程度の水を用意し、1.8%〜2.0%濃度の苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)水溶液を作ります(※苛性ソーダは薬局で印鑑持参の上、毒物劇物譲渡手続を行って購入)。果実を液に浸し、約8〜12時間置きます。果肉の2/3から3/4程度まで液が浸透した段階で引き上げます。
- 水晒し(水換え):流水、または1日3〜4回の水換えを行いながら、約3〜4日間かけて完全に薬品成分を洗い流します。
- 段階的な塩水漬け:最初は1%濃度の薄い食塩水に漬け、2日ごとに2%→3%と徐々に塩分濃度を上げ、最終的に3.5%前後の塩水で冷蔵保存します。急激に高濃度の塩水へ漬けると果実が縮むため、段階を踏むのが美しく仕上げる秘訣です。
完成したマンザニロの新漬けは、青リンゴを思わせる爽やかな香りと、サクッとした歯ごたえ、そしてジューシーなオリーブの旨味が口いっぱいに広がります。この味を知ってしまうと、マンザニロ栽培をやめられなくなる栽培者が多いのも頷けます。