刑法唯一の死刑専科「外患誘致罪」とは?適用例ゼロの真相と法的現実

刑法唯一の死刑専科「外患誘致罪」とは?適用例ゼロの真相と法的現実について見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

外患誘致罪が成立するためには、法律上の厳格なハードル(構成要件)をすべてクリアしなければなりません。外患誘致罪の成立要件は大きく分けて「外国との通謀」と「日本国に対する武力行使」の2点に集約されます。

ここでの「外国」とは国際法上の主権国家を指し、テロ組織や民間団体は原則として該当しません。「通謀」とは、単に外国と意思疎通を図るだけでなく、相手国と連絡を取り合い、意思を相通じて武力行使を合意・画策することを意味します。さらに「武力行使」とは、国際紛争において軍事力を用いた攻撃(侵略戦争の勃発など)を指し、単なる外交的圧力や経済制裁、サイバー攻撃の軽微な事案などはこれに含まれません。

罪名・関連条項法定刑主な構成要件と行為内容実務上の成立難易度・適用実態外患誘致罪(第81条)死刑のみ外国と通謀し、日本に対して武力を行使させる行為極めて高い。日本の歴史上、適用・起訴例は0件。外患援助罪(第82条)死刑又は無期・2年以上の懲役日本に対し武力を行使する外国軍隊に軍務服従、軍事上の便宜を供与する行為武力攻撃がすでに開始されている有事下であることが大前提。平時は不成立。外患予備・陰謀罪(第88条)1年以上10年以下の懲役外患誘致・外患援助の罪を犯すための準備行為や、2人以上で謀議する行為武力行使に至る前の段階を処罰。ただし具体的な軍事謀議の証明が不可欠。スパイ防止法関連(特定秘密保護法等)最高10年以下の拘禁刑(事案による)国家の安全保障に関する指定機密を不当に取得・漏洩する行為現行法上、一般的なスパイ行為を包括処罰する独立法は未制定。行政秘密漏洩として対処。

外患誘致罪と外患援助罪の決定的な違いは「自ら武力行使を導いたか(誘致)」か、それとも「すでに武力行使を行っている敵国を支援したか(援助)」という点にあります。どちらの罪も「外国からの武力行使」が現実の前提条件となるため、平和時に情報漏洩や反日的とみなされる政治活動を行ったとしても、これらの外患罪に問うことは法解釈上不可能です。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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